日本臨床検査自動化学会

平成17年度第1回遺伝子検査技術委員会議事録(案)

 

1.     開催日時 平成17年4月1日(金)  16:00〜17:30

2.     開催場所 ホテルメトロポリタン盛岡NEW WING

3.     出席者(敬称略) 中井、野村、川上、奈良、登、杉浦、渡辺、舩渡、朝長、菱沼(代理)、橋本、吉田、諏訪部、尾崎、影岡、小出、宮島、磯部、竹越、南木、藤巻、横田、成澤、石川、森、三好、諏訪、宮田、中川原、川瀬、竹下、林、糸賀

4.     議題 

(1)  新委員の紹介

(2)  前回議事録の確認 (資料2)

(3)  遺伝子検査の標準化に関する議案 (資料3)

(4)  診療目的のヒトゲノム解析に関する施設間連携について (資料6)

(5)  第6回遺伝子検査技術セミナーに関する議案

(6)  その他

5.  配布資料

資料1  委員会名簿

資料2 平成16年度第2回委員会議事録(案)

資料3  白血病関連遺伝子検査アンケート

資料4  同 アンケート集計結果

資料5  診療目的のヒトゲノム遺伝子診断の施設間連携に関するアンケート結果

資料6  病院が専門性の高い検体検査業務を受託する要件

資料7  第1?5回遺伝子検査技術セミナー

資料8  第5回遺伝子検査技術セミナーセミナーアンケート結果

6. 議事内容

(1)中井会長より小出, 宮島, 宮田, 中川原, 川瀬, 竹下, 林, 矢富(欠席), 増川(欠席), 福嶋(欠席)新委員が紹介された。

(2) 平成16年度第2回議事録が報告され、承認された。

(3) 遺伝子検査の標準化

白血病関連遺伝子検査アンケート調査の説明がなされた。この調査の目的は、各施設が検査をどういう方法で行っているかを把握し、今後のコントロールサーベイや標準化を行う上での参考資料とすることである。アンケート調査を日本臨床検査医学会認定研修施設120施設に対し行ったところ79施設より回答が得られた。白血病関連遺伝子検査(定性を含む)を行っているのが30施設で、そのうち定量検査まで行っているのが18施設であった。RNA抽出、RT反応の方法は様々であり、定性法でみられた問題点が定量においてもみられると思われた。

コントロールサーベイと標準化について意見交換が行われた。

 (施設数について)

技師会の調査では実施施設は50施設であった。

定量法を実施している施設が実際より少ないのではないか。

 (測定法の問題点)

RNA濃度測定での違いが問題である。

RNA抽出過程での差がバラツキの原因と考えられるため、同じコントロール細胞を配布して測定してはどうか。

調査した結果ではRNA抽出、RT反応効率より、primer, probeを用いる部位が施設間差に重要であった。

primer, probe位置より感度の差、用いる単位による差の方が大きいのではないか。

どのような単位(全RNAに対するコピー数, 内部コントロールの比)を用いるかが重要である。

DNA結合蛍光色素(SYBR Green T)を用いる方法と配列特異的な蛍光標識プローブを用いる方法(TaqMan probe)では原理が異なるので、測定値が大きく異なるのではないか。

(標準化について)

・ヨーロッパのグループによる調査結果を参考にしてはどうか。

コントロールサーベイを行うにあたっては最終的な目標を明確にする必要がある。

最終的なゴールは標準化である。どこを取っ掛かりにするかが問題であり、それぞれの学会が特徴をもって行っている。

標準化にはスタンダード(標準DNA, RNA)の設定が必要であるが、これは1つの委員会だけで出来るものではないと思われる。

定性のサーベイを行って初めて見えてきた点も多くあり、最終ゴールを意識しながら定量のサーベイを行うことで、さらに、いろいろな問題点が見えてくるのではないか。

コントロールサーベイ等を行いながらスタンダードに近い方法を模索するステップが必要である。

遺伝子検査マニュアル(本委員会編集)で標準的なガイドラインを示すことができるとよい。

以上の意見を参考に次の方向性が示された。

@今回の調査でもれてしまった施設があれば追加し、アンケートの回答が得られた施設を対象としてコントロールサーベイを実施する。

A全操作過程を評価するためCell line(陽性培養細胞)の凍結乾燥品を試料として配布する。

BRNA抽出、RT反応による違いを除き、定量におけるスタンダードの種類や単位の違いによる影響を調べるためcDNAを試料として配布する。

具体的な事項は次回委員会までにまとめ、さらに審議することとなった。

4)診療目的のヒトゲノム解析に関する施設間連携

野村委員長より診療目的のヒトゲノム解析の施設間連携に関するアンケート調査(委員会メンバー内)結果の説明がなされた。4大学から受託可能な65項目が示された。コメントで最も多かったのは費用についてであった。高度先進医療に認められれば実費を頂くことができるが、これは自分の施設に限ってのことである。千葉大学病院の医事課で聞いたところによれば、依頼先と料金規定を決め契約を結めば実費を頂くことも可能である。

続いて以下の意見交換が行われた。

いでんネットのようなサイトを作ることが最も簡単ではないか。いでんネットでアップデイトが問題であるならば、その世話を委員会で行えばよいのではないか。各診療科でオープンにできる項目があれば、その仲介役をするのがよいのではないか。

ネットワークをつくるとなるときちんとした料金設定が必要である。その際、検査センターを圧迫してはいけない。料金は検査センターに足並みを揃えるのが良いのではないか。

検査費用は臨床側の研究費より出すのが良い。

いろいろな学会でネットワークの必要性を何年も前から唱えているが、なかなか最初の一歩を踏み出せないでいる。どんな小さなサークルでも良いから、少しでも実績のようなものをつくっていければと考えている。

それについては賛成であり、最終的には保険収載され、医療行為として認められるのではないか。

数年後に混合診療が解禁になり、おそらく遺伝性疾患も保険請求が一部の病院で認められるのではないか。2年後に改定があり動きがあるので、それに向けてネットワークを準備されると良い。

・搬送のルートをしっかりとしたものとする必要がある。

依頼先の遺伝カウンセリング体制がどのようになっているかの問題がある。依頼施設の倫理委員会で承認されたものに対して受託する。

コストには難しい問題がある。まずは、検査部間で行っていける情報を整理して、検査に携わっているものが中心となりアップデイトなネットワーク作りを行っていきたい。今回の調査を全国の大学附属病院の検査部へ広げて行くことを考えている。

(5)第6回遺伝子検査技術セミナー

 次回のセミナーは、受講者の1/3が遺伝子検査の担当を予定していること、委員会活動内容についての報告が必要であること、毎回テーマの1つに感染症(最新の話題について)を挙げていることから、次の3テーマに決定した。@遺伝子検査の基礎。A白血病関連遺伝子検査アンケートの結果報告と今後の活動予定。B敗血症について測定法も含めた広い内容について。

(6) 次回委員会は平成17年9月28日(水)、第37回大会の第一日目に開催される予定である。